— なぜ現代人は、いつも満たされないのか —
今回登場するのが、
「お金そのもの」を哲学した男。
ドイツの哲学・社会学者ゲオルク・ジンメルです。
お金は“自由”を増やし、“意味”を減らす
ジンメルの代表作『貨幣の哲学』は、
今読んでもかなり興味深い本です。
なぜなら彼は100年以上前に、
現代社会をほぼ予言しているからです。
彼の考えを一言でまとめるなら、
お金は便利になるほど、人間関係を希薄なものにしてしまうのです。
お金がある社会は、自由でラク
まずジンメルは、お金の便利さをちゃんと認めています。
たとえば昔の社会では、
- 村
- 身分
- 家族
- 地域共同体
こうした“固定された関係”の中で生きていました。
でもお金が発達すると、
- 好きな場所で働ける
- 知らない人とも取引できる
- 自由に移動できる
つまり、
お金は人間を「しがらみ」から解放したということです。
しかし、自由になるほど“孤独”になる
ここからがジンメルの本番です。
お金によって社会は便利になった。
でもその代わりに、人間関係はこう変わりました。
昔
- 濃い関係
- 長い付き合い
- 感情が中心
現代
- 条件で繋がる
- 役割で評価される
- 損得で動く
つまり、人間関係が「数字化」されることになってしまったのです。
現代SNS社会、ほぼジンメル
例を挙げると、
- フォロワー数
- 年収
- 再生回数
- いいね数
これらは全部、“数値”です。
本来、人間の価値はお金のように測れないはずなのに、
現代ではあらゆるものが数字になる。
ジンメルはこれを、
貨幣経済による「価値の均質化」として分析しました。
難しく聞こえますが、簡単です。
全部、お金と同じ尺度で見られる世界になったということに他なりません。
なぜ、稼いでも満たされないのか?
ジンメルは「貨幣」は手段でしかなく、
いくら稼いだところで、それ自体は満足をもたらさないと言います。
そしてお金がなんでも解決してくれると盲信すること(貨幣信仰)も
本質的でないと指摘しています。
ジンメルの怖い指摘
彼はさらにこう言います。
手段だったはずのお金が、人生の目的に変わる
本来、お金は
- 生きるため
- 楽しむため
- 自由になるため
の“手段”だった。
なのに現代では、「稼ぐこと自体」が目的になってしまった。
では、お金とどう付き合えばいいのか?
ジンメルは明確な答えを押し付けません。
でも彼の思想から見えてくるのは、
「数値化できない価値」を持てということです。
たとえば、
- 深い友情
- 没頭できる趣味
- 愛情
- 美意識
- 哲学
- 芸術
これらは、お金では完全に測れません。
だからこそ価値があります。
お金は便利。でも、、、
私たちは便利になった。
でも同時に、
- 比較に疲れ
- 数字に追われ
- 「自分の価値」を見失っている
と言えるのではないでしょうか。
最後に
ジンメルは、現代人にこう問いかけている気がします。
あなたの人生には、“お金では測れない価値”がありますか?
本来、人との出会いや趣味ひいては人生とは簡単に数値化できる
ものではないはずです。
あなたの中にある数値化できない価値を大切にしてこれからも
楽しく生きていきましょう。

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